hamabi芸術祭

社会人向け絵画教室

制作プロセス 実際の授業の制作プロセスを公開

静物デッサン 高1生・高2生科特進コース作品

静物デッサン

出題:静物デッサン
B3画用紙・鉛筆
高1生・高2生科特進コース
O.S.さん(高2生)作品

今回の制作プロセスは、高1生・高2生科特進コースのO.S.さんの静物デッサンです。高校1・2年生にとって難易度の高いガラスの容器を様々な手がかりを利用し、どう表現していくのか、hamabi生としてはキャリア豊富なO.S.さんですが、どこまで描けるか楽しみです。


エスキースと描き出し

<写真左> 本番のデッサンに入る前のエスキースです。
この段階でクロッキー帳にしっかりと構図や細かな注意点などを書き、完成のイメージをスケッチしておきます

<写真右>エスキース後、描き出し1時間ぐらいです。
全体のバランスを気遣いながら描き進めていこうとしていますが、ガラスの容器の存在感がとても弱いことが気がかりです。
漠然と描き進めていくのではなく、もう少し戦略的な積極性が必要です。
描き出しとはいえ、容器の中の空間をつかむためには、もう少しゴムボールなどを利用するべきでしょう。

制作過程

<写真左>全体に手は入ってきました。
前後関係を意識した二本の薪やガラス容器の口の部分の描き違えなど、作者が絵の中で秩序を積極的に与えているところは良いのですが、それに対してガラス容器内のゴムボールは、ただ何となく見えたまま現象を写してしまっているため、容器の量感が薄くなっていることが残念です。
描き出しの段階で曖昧にしていたことが、こういった形で問題として浮上してきています。

<写真右> 大きく絵が動いてきました。
前半にあったゴムボールの曖昧な描写も、まだ少々単調に見えるところはありますが良い方向に変化してきています。
もう少しガラス容器の見えない下面と台の関係がしっかりしてくると、現状のぼんやりした画面の印象がクリヤーになるでしょう。
モチーフ台に落ちているものの影を、ただの暗さとして描いてしまう人が多いのですが、それでは台とものの関係は描けません。形として意識すべきです。

完成作

完成です。複雑なモチーフの現象を具体的に形として捉え、何度も絵の中でやり取りをし、粘れるようになったことは、この一年の成長を感じさせてくれます。
欲を言えば画面の中で使われている強い黒の色味に、もう少し質の幅があると良いのですが、この辺りのことはこれからの課題としてしっかりと勉強を積み重ねてくれれば良いでしょう。
シンプルではありますが難易度の高いモチーフをこのように表現できたことは本人にとって良い経験だったと思います。